法定相続人以外の人への財産の残し方について

法定相続人になれるのは、配偶者(民法第890条参照)・子(民法第887条参照)・直系尊属及び兄弟姉妹(民法第889条参照)となっています(代襲相続は除く)。ここでいう配偶者とは法律婚における配偶者を指します。

近年、法律婚によらない婚姻関係が増加しているものの、内縁の妻・夫やパートナーなどには未だ相続権がありません。2019年7月に民法の相続に関する部分が改正されましたが、残念ながら相続権に関する部分は改正されず、今後の改正が望まれるところです。

では、どのようにしたら、事実婚による配偶者やパートナーに財産を残すことができるのでしょうか。
大きく分けて3つ方法があります。

①「遺言」による方法
遺言による場合、一般的には遺贈と呼ばれ、包括遺贈と特定遺贈とに分けられます。

包括遺贈とは、「内縁の妻に全財産の1/2を与える」というように、相手と財産の割合を指定してする遺贈を言います。
特定遺贈とは、「内縁の妻に〇〇の土地と建物を与える」というように、相手と財産の種類を特定してする遺贈を言います。

遺言の書式につきましては、こちらをご参照ください。
http://www.shiawase-home.net/useful/遺言について/

②「生前贈与」による方法
亡くなる前に贈与契約(民法第549条参照)を結び、財産を与える方法です。

③「死因贈与」による方法
亡くなる前に贈与契約を結ぶ点は、生前贈与と同じですが、贈与者が亡くなってから効力が発生します。そのため、遺贈の規定が準用されています(民法第554条参照)。

どのような方法を採るにしても、メリットとデメリットがあり、どの方法が最も良いかは一概には言えません。各々の関係や価値観などでも変わってくるものでありますが、司法書士や行政書士にご相談いただければ、皆様に最適の方法を提案させていただきます。

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