新しい在留資格の導入のその後

2019年4月から新しい在留資格(特定技能1号、特定技能2号)が創設されました。

制度導入時は5年で約34万5千人、初年度は約4万人の外国人を受け入れる事が想定されていましたが、はたして制度の導入から現在はどうなっているでしょうか。制度導入半年後のデータを見てみることにします。

業種6月9月10月受入見込人数(5年)
介護分野161960,000
ビルクリーニング 分野537,000
素形材産業 分野11427621,500
産業機械製造業 分野6431115,250
電気・電子情報 関連産業 分野394,700
建設 分野12840,000
造船・舶用工業 分野72313,000
自動車整備 分野137,000
航空 分野2,200
宿泊 分野6922,000
農業 分野23112436,500
漁業 分野49,000
飲食料品製造業 分野14914834,000
外食業 分野203853,000
総数20219597345,150
2019年 特定技能在留外国人数(法務省・出入国在留管理庁発表資料より)


全14分野の合計値は6月時点で20人、9月時点で219人、10月時点で597人でした。この特定技能を認められるには、技能実習2号を修了している等の条件を満たしている場合を除き、日本語検定試験とそれぞれの分野に関する技能試験をクリアする必要があります。初年度の4万人には届かない情勢ですが、今後の動向が気になるところです。

また、これらの特定技能ではこれまで認められなかった単純労働を含む分野も認められたため、悪質な事業者を排除すべく特定技能外国人を受け入れる側(受入機関)も職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援の実施に関する計画(支援計画)を提出し、実施させるようになりました。

受入機関が作成する支援計画の内容は次のとおりです。
① 事前ガイダンス
② 出入国する際の送迎
③ 住居確保・生活に必要な契約支援
④ 生活オリエンテーション
⑤ 公的手続等への同行
⑥ 日本語学習の機会の提供
⑦ 相談・苦情への対応
⑧ 日本人との交流促進
⑨ 転職支援(人員整理等の場合)
⑩ 定期的な面談・行政機関への通報

あらゆる場面での支援が必要となるため、受入機関に代わって支援を実施する「登録支援機関」という制度も創設されています。2019年11月時点で登録支援機関は3,210件が登録されています。

登録機関件数
会社(株式会社、合同会社等)1,710
中小企業事業協同組合871
行政書士(個人)261
一般社団法人92
社会保険労務士(個人)56
その他220
合計3,210

仮に今後5年で約34万5千人の特定技能外国人を受け入れた場合、職業生活上・日常生活上・社会生活上の支援が実施できる受入機関・登録支援機関がどれだけの数が登録されるかも注目されるところです。

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