「新型コロナウイルスの影響による納税の猶予等」について

・令和元年度の確定申告 

本来、令和2年3月16日が申告期限でしたが、令和2年4月16日まで延長されました。さらにコロナウイルスの影響により外出を控えるなど期限内に申告が困難な方については、4月17日以降も柔軟に確定申告を受け付けています。

これから申告する際は、「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記載をして申告すれば、申告期限延長の取り扱いがなされます(申告書で申告する場合、右上余白に記載します。e-TAXで申告する場合、特記事項の欄に入力します)。

・現行法による納税の猶予(所得税・法人税等の国税)

現行の法律によっても、次の要件全てに該当する場合、納税の猶予が認められます。
<要件>
①    一時の納税により、事業の継続又は生活の維持が困難になるおそれがあること
②    納税について誠実な意思を有すると認められること
③    猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと
④    納期限から6か月以内に申請がなされていること
※担保の提供が明らかに可能な場合を除いては、担保は不要となります。

猶予が認められると次のような効果を得られます。
<効果>
①    原則、1年間の納税猶予(状況により伸びることもあります)
②    猶予期間中の延滞税の軽減(年8.9%→年1.6%)
③    財産の差押えや換価(競売による売却)の猶予

<方法>
申請者が住んでいる所轄の税務署に「納税猶予申請書」を郵送するか、e-TAXで申請する必要があります。

上記のほかにも個別の事情により納税の猶予が認められる場合もありますので、お住いの所轄の税務署に相談してみるがよいかと思います。

また、地方税(住民税・固定資産税など)については、各地方自治体により取り扱いが異なる場合がありますので、お住まいの地方自治体に問い合わせてみるのがよいかと思います。

・納税猶予の特例制度(案)

 新型コロナウイルスによる影響が甚大なことから、現在国会において納税猶予の特例制度を実施するための関係法案の審理が行われています(令和2年4月30日、参議院で関係法案が可決されたそうです)。現行法における猶予制度とは要件や効果が異なります。

<要件>
①    新型コロナウイルスにより、令和2年2月以降の任意の期間(1か月以上)において、事業等に係る収入が前年同期に比べておおむね20%以上減少していること
②    一時の納税が困難なこと
※収支状況の確認のため、預金通帳や売上帳などの書類を用意する必要がありますが、難しい場合は口頭での説明でも可能みたいです。

<効果>
①    1年間の納税猶予
②    無担保
③    延滞税がかからない

<方法>
令和2年6月30日又は納期限のいずれか遅い日までに納税猶予申請書(特例猶予用)での申請またはe-TAXで申請する必要があります。

特例制度については、地方税についても国税と同様の取り扱いがなされるよう通達が出ており、上記要件に該当する場合は、納税の猶予が認められることになりそうです。
特例制度において納税の猶予が受けられない場合であっても、現行法の要件を充たしていれば、現行法での納税の猶予が認められます。

詳しくは各関係省庁のHP等をご参照ください。
総務省:https://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/important/kinkyu02_000399.html
財務省:https://www.mof.go.jp/tax_policy/keizaitaisaku.html
国税庁:https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu_konnan.htm

戻る